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フリンジ考察

 D200の縞々で原因がスミアだとか勘違いをしている人がいたもので、ちょっと前にD200の縞々発生原因のまとめをしました。
 今回は、フリンジとは、ということについてまとめてみました。
 フリンジとはどんな現象かを理解している人はまだいいのですが、フリンジも何もかも一緒くたに「色ノイズ」だとか、「偽色」だとか言う人もいます。そりゃ、色のないところに色が付けば、「色」の「雑音(ノイズ)」かもしれないし、それは「偽り」の「色」なんでしょうが、いわゆる色ノイズ、偽色といわれているものは、専門家の間では違う意味に使っています。

 まあ、それはさておき、専門家でも明確な原因を知らないことが多い、フリンジについてその発生メカニズムを図解します。

 下図は、凸レンズで白色光を集光している様子です。色成分によって、焦点位置が前後にずれます。青が手前に、赤が遠くに焦点を結びます。これを「軸上色収差」と呼びます。

1jikujouiroshuusa

 さて、このような光学系で被写体を写したらどうなるでしょう。フリンジ(ここの説明ではパープルフリンジ)が出やすい飽和した白バックに黒っぽいものが写っている被写体を想定します。(下図参照)

2hurinnji

 このとき、焦点面上(撮像素子面上)で緑の成分は被写体がきれいに結像します。しかし、青の成分は焦点面上の手前に結像し、焦点面上ではボケた画像になります。赤の成分は焦点面上の後方に結像しようとするので、やはり焦点面上ではボケた画像になります。
 このとき、明るい部分は飽和気味なので、赤と青のボケが多少あっても、飽和して白く見えます。しかし、黒い部分の赤成分のボケと青成分のボケは色として見えてしまい、赤と青を合成した紫(パープル)の着色が見られるようになります。これがパープルフリンジの正体です。

 さて、それではこの対策はどうしているかというと、EDレンズなどの低分散レンズを使うことで低減することができます。
 下図にて、低分散レンズ(EDレンズ)と通常のレンズを組み合わせて、軸上色収差を低減した状況を示します。こんなにぴったりと合えば問題ないのですが、実際には多少収差が残ってフリンジとなります。

3iroshuusakaizenn

 では、以前のエントリーで問題にした、AV-S28-70mmのブルーフリンジはどうして出るのでしょうか?このレンズはEDレンズを複数枚使って色収差を低減していますが、どうも青成分の収差が残るようです。下図のように、青成分だけボケた画が結像すると、黒い部分の周辺に青色のフリンジ(ブルーフリンジ)が発生します。

4buruhurinnji

 これでわかるように、フリンジやここでは説明していませんが、周辺の色収差はレンズによって変わります。経験的に、シグマのレンズはフリンジや色収差対策が随分上手く、12-24mm,10-20mm,18-50mなどどれもフリンジ、色収差がとても少ない良好な画を得ることができます。
 一方、どうも、28-70mmは色収差、フリンジとも青が激しく出るようです。

 ところで、同じ28-70mmを使っても、D200だとブルーフリンジが目立ち、D70だと目立たないということを経験しました。これは何故でしょうか?

 答えは3つ。

1、単純にピクセルサイズが小さい分、等倍で見るとD200の方が幅広くフリンジが見える。
2、ローパスフィルターの特性で、ぼかし気味のD200の方が前述した青のボケが大きくなる。
3、(これが一番効いているようだが)、D70はローパスフィルターの効きが弱い分、偽色(ここでは色モワレ)を減らすために、輪郭部分の着色を減らす信号処理が入っている。このためブルーフリンジも低減されている。

ということです。

 高画素、ゆるめのローパス、信号処理で偽色抑圧をしていない、EOS1DsMkIIもフリンジが多いですが、同様の理由だと思っています(実機持ってないからわからないけど)。

 ちなみに、銀塩カメラで目立たないのは、フィルムの空間周波数応答が高域で低い、大雑把に言えば、解像感がデジタルカメラなどより劣っていることが主な原因だと思っています。

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コメント

初めまして
いつも勉強させて頂いています。
私もにけさんのブログを見て調整(ニコンの方は修理と発言)に踏み切りました。結果として「縞」は、いわゆる蛍光灯写真でも確認できていません。
一方、先日撮影した時、調整前と画像の変化があったように感じるんですがいかがですか?

投稿: HK | 2006.02.15 20:16

コメントありがとうございます。
縞の調整前と調整後ですか?
あまり違いは感じていません。
どういう点が変わったと感じましたか?そのあたりをじっくり見たいと思います。

投稿: にけ | 2006.02.18 22:46

テストした日がコントラストが高くそのせいかもしれません。
1.ベールのような霞がかかった感じを少ない
2.輪郭強調をしなくてもくっきりを感じる
3.トーンカーブが変化している気がする

同じ条件で撮ることができないため感覚的な言い方しかできないですが・・・

投稿: HN | 2006.02.19 23:21

HNさん

最近はカスタム設定を色々いじっているので、そのせいで感じ方が違うのか、調整に出して変わったのかわかりません。
天気が良くて、コントラストが上がると、霧がかかったようなのがなくなったりしますよね。
そのあたり、カスタムトーンカーブをアップする予定ですが、NCのバグでカメラ用のトーンカーブを作れないので困っています。

投稿: にけ | 2006.02.19 23:38

こんにちは。
パープルフリンジの原因が軸上色収差だとしたら、
飽和している、いないに関わらず、画面全域がぼやけるはずではないでしょうか。

投稿: RD | 2009.09.21 21:30

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