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フリンジ考察Part2

 前回、フリンジについてその発生メカニズムの考察を行ったが、それではなぜ「フィルム」の頃には問題にならなかったのかということに関して、明確に答えていませんでした。大雑把に「解像度が劣っているから」とだけ書いていましたが、そのあたりをもう少し考察します。

 下図は撮像素子表面に焦点を結んだ像を想定しています。撮像素子は、フォトダイオードの開口に入る光に感じます。開口に入るかどうかは、撮像素子の表面だけで決まります(厳密にはマイクロレンズとかも関係するのですが、概念的に)。従って、撮像素子表面に結像すると、そのままボケずに画像として出力されます。

5ccd

 ところがフィルムが光を感じる感光層(乳剤が塗られている)は厚みがあります。カラーフィルムだと約20μmくらいと言われています。この厚みのある乳剤の中で光は立体的に感光します。したがって、感光層の真ん中に焦点があっていても、その上下ではボケた像によって、乳剤が感光します。従って、下図のように、どうしてもすこしボケた画像しか得られません。これは、レンズのF値が小さくなるほど、ボケが大きくなります。

6film

 さて、このようにフィルムの感光層には厚みがあることを考慮してもう一度、軸上色収差による赤、緑、青の画像の結像の具合をみてみます。
 下図は前回も使った図ですが、撮像素子は表面の像を画像に変えるので、緑が結像していても、赤と青は軸上色収差によるボケが発生します。これが、パープルフリンジなどのフリンジの発生原因です。

 7ccdshuusa

 これは前回の説明でわかっていただけていると思います。

 それではフィルムの場合です。さきほど説明したように、フィルムの像は感光層の厚さが原因でボケるのですが、さらにカラーフィルムの場合、フリンジが出にくいわけがあります。下図はカラーネガフィルムに軸上色収差のある像が結像している様子です。カラーネガフィルムは、レンズ側から、青色、緑色、赤色の感光層があり、全部で20μmほどの厚みを持っています。一方軸上色収差は図のように、青ほどレンズ寄りに焦点を結び、赤ほどフィルムベース寄りに焦点を結びます。

8filmshuusa

 上図は説明のために都合よく書きすぎですが、レンズ寄りに焦点を結ぶ青色の感光層がレンズ寄りにあり、フィルムベース寄りに焦点を結ぶ赤色の感光層がフィルムのベース寄りにあります。これにより、青、緑、赤の像のボケ具合はうまい具合に同じようになり、合成したカラー画像では、白黒のボケにはなるものの、着色はしないということです。
 もっとも実際には、こんなに理想的にはいきませんが、「フィルムは感光層の厚みによりボケが生じる」、「赤、緑、青の感光層は厚み方向に積層して形成されているので、これにより着色が少なくなる傾向がある」ということで間違いないのではと思っています。

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コメント

デジタルで出やすいというパープルブリンジとか現象だけが知識として出回っていますけど説明が全くありませんね。
今回のにけさんの考察は非常に参考になりました。

投稿: HK | 2006.02.25 19:32

HKさん、こんばんは。
多分これであっていると思いますが、多少他の要因もあるかも知れません。
でも、カメラの評論家でも原因不明ということを言っているのはなんででしょうかね?

投稿: にけ | 2006.02.25 20:11

いまさらながら考察拝見しました。自分の手持ちレンズのテストと
見比べて非常に参考になりました。今後デジタルカメラが進化しても
私のレンズは開放で紫が目立つのはさけられないようですが。
あと私のレンズだとフィルムでもマゼンタや紫が結構見る場合があります。
アクロマートレンズの場合RBの波長での焦点位置を揃えているという話も
ありますし、被写体も立体なのだからそんな事もあるのかなとも思いますが。

投稿: keigu | 2009.03.26 01:18

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